犬塚つむぎとブリッコ三竦み
甘々と稲妻、みてますか。
つむぎちゃん、可愛い。
可愛いけど、イライラする…なんとなくイライラするのです。
たぶん彼女、今世紀(今期)最強のブリッコだから。
とはいえ、わたしもブリッコです。リボンとかレースとか大好きです。
「ブリッコの代名詞」的なレッテルワードはすべて頂いてまいりました。
中学時代、天然。
高校時代、不思議ちゃん。
社会に出たら森ガール(死語)。そして電波。
あれ?これディスられてるんじゃないか。KYとも言われたことがある。
飲み会で初対面の男性から開口一番「お前みたいな女が一番嫌い」と罵られた、しょっぱい思い出がよみがえります。今年の1月のことです。死にたいなぁ。
閑話休題。いわゆるブリッコと呼ばれる女性には、3パターンあると分析しています。
・無知
・天然
・少女趣味
この3つです。
無知というのは一番男性受けのいいブリッコで、非力アピールなんかもここに含まれます。下戸とか。言ってしまえばつむぎちゃん系の、あざといやつです。
天然は逆に女性に受けます。例えるなら東京フレンドパークに宝塚出身の女優が出演している時のようなイメージでしょうか。もしくは専業主婦のお母さん。
最後の少女趣味、これは男女ともに好まれません。たいていは宇宙人のような扱いを受けます。
無知キャラを続けられる女性は賢く冷静です。どうすれば他人が自分のために動いてくれるかを理解し、把握し、損得勘定で時には己の知識も努力も捨てられる、頭脳派の手合いです。
天然キャラを全うできる女性は強いです。すべてを「あらあらうふふ」で黙殺できる圧倒的オーラが求められます。
自分を磨き、評価を高め、無礼なやつらは笑顔で殴る、努力の人です。
少女趣味、これはどうしようもありません。可愛いから、好きだから、そんなエピキュリアン的思考で場の空気をかき乱す、わたしたちはシンゴジラです。
お察しの通り、わたしは少女趣味タイプのブリッコです。
だからこそ、2016年夏アニメ無知キャラ代表のようなつむぎちゃんが苦手なのです。
正確にはつむぎちゃんが苦手なのではなく、つむぎちゃんというキャラクターの背後から追いかけてくる、今までに知り合った無知ブリッコが思い出されて辛いのです。
無知ブリッコに相まみえた際の、敗北の記憶。
彼女たちは自分の趣味を蔑まれても「もー!」で済ませます。
ダサい、おかしい、と笑われたときに「ひどーい!!」と受け入れます。
なぜ耐えられるのか、なぜ許せるのか。
わたしならベッドサイドのテディベアに石を詰めて頭を殴ります。
ウエストのリボンをほどいて頸動脈を絞めたくなります。
自分を折って相手を立てられる、その余裕がうらやましい。
自己嫌悪になってまいりました。
わたしは欲望に忠実なので、フリルのブラウスを着ていても飲み会では生ビールのジョッキを手放さないのですが、出来る事ならカシスオレンジを片手に頬を染められる、そんな女の子になりたかった。
そっちの方が可愛いもの。
でもつむぎちゃん将来絶対、生ジョッキ何杯も開ける感じですよね。
おゆうぎ会でもめちゃめちゃ喧嘩してたし。
なんなんだ、わたしは。つむぎちゃんごめんね。
おやすみなさい。
吉祥寺ではカップルがフォークダンスを踊る
先日、うまれて初めて吉祥寺へ行きました。
井の頭公園へ向かう道すがら、フォークダンスを踊りながら歩くカップルがいました。
男女で前後に並んで、肩の上で両手をつなぎ、何メートルか進むと女の子がくるりと回る。
幸せそうな女の子、どこか誇らしげな男の子。そして聞こえる楽しそうな笑い声。
下手したら10歳は年下であろうそのカップルの姿に、羨めばいいのか、悔やめばいいのか、わたしはわかりません。
ありふれた情景だろうに、かつてはわたしにもそんな瞬間があっただろうに。
思い出されるのは5年前の横浜です。
当時は派遣のOLをしていて、デートの相手は大学生だった男友達でした。
ご飯を食べて、お酒を飲んで、駅に向かう帰り道。
週末の予定を聞かれたわたしは、何の気なしに「○○さんという男性と会うよ」と答えました。
きっと言い争いになったのでしょう。
怒った大学生は急に一発、私のお腹を殴りました。
今までとは打って変わった低い声で「いい加減にしろよ!」と怒鳴った彼の顔はもう忘れてしまったけど、わたしの中に残る大学生の記憶なんて、そんなくらいです。
なぜだか吉祥寺の路上で踊るカップルをみたとき、わたしは彼に謝罪をしたくなったのです。
穏便な彼がそんなに怒るくらい、悪いことをしたのだなぁと。
でもあいつクソだったなぁ。
ところでわたしは地方の出身なのでとにかく歩くのが遅い。
フォークの歩調は田舎者と相性が良いという、いらない悟りを得た田吾作でした。
腹パンは後にも先にも一度しかされていません。
おやすみなさい。